TOP ->金峰山ボルダーセッション2007準備編
金峰山で行なわれた金峰山ボルダーセッション2007の準備をまとめてみました。魔界エリアを再度整備しなおし、藪で覆われたアプローチの草刈りやスズメバチの巣を駆除など苦労の連続でした。

金峰山岩掃除日誌1日目


 魔界エリアという比較的新しいエリアに行きました。

 開拓されてから夏場は誰も人が入っていなかったため
アプローチも草がのび放題。
南九州の植生のすごさをナメてはいけない。
たった1年でも人が入らなければもうアプローチの道は
まったくなくなってしまう。
岩もあっという間にコケ、ツタだらけだ。

 本日はアプローチの整備からでした。

 I戸隊員が
なたで藪をはらっていきました。
すげーーー。

 っていうか手つきがプロだったな。(仕事でこういう事をやっていたらしい)
自分だったらなたを振りそこなって足を切ってしまいそう。(危ない)

 30分ほどアプローチを整備してから
フクフク君と合流。

 魔界エリアに到達する。

 いやーーー、カッコいい岩がたくさんあって
モチベーションが上がりました。
1級、初段以上のラインもあるようです。

 で、3つに分かれて
作業を分担して岩の整備をすることにしました。

 私が担当した岩がこれ↓


 いやーーー、超コケコケしてます。
高さは4メートルほど。角度は垂直から80度ぐらい。

 これをまずはリップの土を落としました。

 次にロープにぶら下がってワイヤーブラシでコケを落としていきます。
これが超大変。
ハーネスが腰や太ももに食い込んで超痛かった。
ちなみにワイヤーブラシは岩質によっては使用禁止されているエリアも
あるようです。
金峯山の場合は硬砂岩でワイヤーの方が先に磨耗するし、
あのコケを普通のブラシで落とすことは困難なので
開拓段階でワイヤーブラシを使用することが多いようです。

 で、ブラシで全身コケとドロにまみれること2時間。
やっと岩肌が見えてきました。


 浮石を取り除く作業があります。
金峯山は基本的に岩が硬いのですが
時々フレークが浮いていてはがれることがあります。
登っているときに岩が剥がれたら危ないので
剥がれそうな岩は事前に除去します。


 いやー、大変だったけど
岩がきれいになると気持ちいいもんですね。

 その後、真下に3つ小さな未開拓の岩があって
それらの岩もきれいにしました。

 最後に皆で登りました。

 5〜8級程度の初級者向け課題が
大量にできました。
難しいのは2、3級のもあったかな。
バランス系課題やマントル課題もあって
変化に富んで面白かった。
最終的には12課題完成した。

 あまりたくさん登れなかったけど
超楽しかった。(ちょっと疲れた)

 ちょこちょこ開拓に通おうと思った。


金峰山岩掃除日誌2日目
 これから岩場の整備は長い長い道のりになりそうです。
1日や2日ではどうにもなりそうにはありません。
でも一つ一つの岩をしっかり掃除をしていこうと思います。

 さてさて、岩掃除は今日で2日目です。

 まずアプローチの整備を行いました。

 セッションをする場所までは林道から
ジグザグ道を下っていきます。

 一つ目のエリアまでが約10〜15分。
さらに2つ目のエリアまで約10分弱くらい。

 距離にして500mちょっとくらいかな。
で、現在の様子はこんな感じ。


 皆様、南九州の植物のたくましさをナメてはいけません。
夏の間に南国の太陽を浴び、のびのびと育ったこの雑草たちを。
こういう藪道が延々、500m続いています。
これを鎌で刈っていきます。
気の遠くなる作業です。
今日は一番下にある岩場までこのアプローチの草を刈っていきました。

 で、途中にはこういう岩がありました。

 手付かずの岩です。
下地もよく、あまりかぶっていないですが
そこそこよい課題ができそうです。
このくらいのコケであれば
2時間ぐらいでなんとかなりそうです。

 しかし、こんなのばかりではありません。
例えば

 これぐらいになると結構大変です。

 さらにここまで倒木が乗ってくると
もう気分が萎えます。

 金峯にあるような岩ですと
上のようなすさまじく藪に覆われた岩が
多いです。


 この岩はうっすらコケに覆われていますが
比較的掃除しやすい方かな。

 という具合に草を刈っている途中にも
未開拓の岩がたくさん出てきまして
どれから手をつけてよいやら。

 人手が欲しい。

 のが本心。

 これだけの岩を1人で掃除は難しいと思います。
協力してもらえるところはお願いして
素晴らしい岩場に整備していきたいと思います。

 九州一、いや日本一と言われるような
エリアになってくれたらいいなあと思います。



金峰山岩掃除日誌3日目


 アプローチは草が復活しつつある。
気温が高いのか金峯の野草はタフだ。
鎌できちんと除草しないとダメだな。

 風が強い。

 魔界エリアは樹林の中なれど
整備された杉林ゆえ風がよく通り抜ける。

 本日はオンリー岩の南西面を整備した。
写真はこちら。

 脚立の高さが約3.5メートル。
それでも余りある高さだ。
かなりのハイボルダー。
懸垂下降しながら下を見るとリップで落ちたら
大変だろうな。

 上から懸垂下降しながら岩を磨いていく。
風で泥が舞い上がって大変だった。
鼻、目、耳の中まで泥まみれだ。
体に悪そぉー。

 で、約3時間かかってなんとか登れるぐらいに
整備できた。

 ホールドは結構豊富にあるので
5〜8級の課題が数本引けるかな。
非常に高さがあるので注意が必要。
1人だったのでトライしなかった。
足でも骨折しようものなら
下山ができず皆に迷惑をかけるから。

 整備後はこんな感じ↓

 ロープの位置関係で磨けない部分があり、
この辺は脚立でやるしかないだろうな。

 途中から小雨が降ってきて
14時には作業を終了した。
この先長そうだ。


金峰山岩掃除日誌4日目
 飽きもせず金峯に行ってきました。
4日連続っす。

 金峯までの交通手段はなんと原動機付き自転車(通称:原チャ)である。
片道30キロの道のりを毎朝原チャで通うのは相当根性がいる。
まあ、その辺は学生時代からやっていることなので
別に腹を据えてしまったらどうにでもなることですが
意外な強敵が。
寒さだ。
っていうか寒いよ。
1時間も走ると凍えそうになる。

 凍えながら金峯に着く。
本日は助っ人で吹上のH口さんが
来て下さった。
金峯へはたった20分で着くそうだ。
超地元クライマーですね。

 開拓した岩はセッション後もずっと残るものだから
できたら地元の人と一緒に開拓していきたいですね。
その方が愛着がわくと思う。

 ちなみに私も山岳部の恩師に連れられて
金峯の奥地を岩を探してさまよった経験があります。
そのとき見つけたのが北壁なんですよ。
北壁は高度差120メートルあって今でもよく登られています。
あれをはじめて発見したときは感動だったな。

 と、思い出話はこのくらいで岩掃除の話。

 今日は戦艦のような岩から下り
索道を右に折れたところにある岩を掃除しました。

 こんな感じの岩です↓


 逆の方角からはこんな感じ↓


 H口さんが草刈をしてくれたおかげで
かなりスピーディに作業ができました。
ありがとうございました。

 最初は8級もできんぐらいに傾斜が寝た岩にしか
見えんかったけど
下地をスコップで平らにしていたら
いいところにスタート用のガバを発見した。
そこからスタートする課題を思いつき
1時間ほど打ち込んで登れました。
6級以上はあると思われます。

 月曜に皆に登ってもらってグレーディングしてもらおう。
あと10級が1本できました。
この岩だけであと2本は課題ができそう。

 とりあえずオンリー岩、トランス岩周辺は
だいたい整備が終了してきたので
今度は下部の岩に手をつけようかな。


金峰山岩掃除日誌5日目
 昨日は金峯に9時ごろ到着。

 オンリー岩、トランス岩のエリアは岩掃除について
終了に近づいてきたのでデビルロックのエリアに移動する。
脚立、スコップ等の荷物を担いで下る。

 I戸さんと草を以前刈ったのだが
だいぶ復活してきやがった。
南九州の野草はタフだな。

 早速岩の掃除にとりかかる。

 デビルロックからさらに奥に入った場所にある
岩を掃除する。
こんな岩でした↓(掃除前)


岩の上に木がたくさん生えており
土砂がすごい。
倒木、木、草等を除去する。

 大きな杉の倒木を5本ほど除去し
10本ほど雑木を除去したら
なんとなくいい感じになった。

 しかし、それからが大変で
この岩、岩のかけらが多いのだ。
うろこ状に岩がポロポロ剥がれている。

 登る面は頑丈そうな岩質なのにおかしいなと思ったら
この岩の脆さを生んでいるのは
木の根、草の根なのだ。

 根っこがクラックに入り
成長すると岩が長年かけてじわじわ
剥離していくようだ。

 とにかく20個ちかく落石になりそうな岩を
除去した。

 その後、懸垂下降しながらリップについた
土砂を落としたが
昨日まで2日間で降り続いた雨のため
泥がなかなか除去できなくて苦労した。
最初は足で落としていたが
懸垂下降しながらスコップで落とさねばならないほど
大量に堆積していた。

 とにかく大量の土砂がたまっていて
疲れました。
掃除が終わった後




金峰山岩掃除日誌6日目

 本日も飽きずに岩掃除。
本日はM浦さんにお手伝いいただきました。
誠にありがとうございました。

 草刈機をお借りしまして
早速アプローチの草刈から始めました。

これから草刈るぞぉーという写真↓


M浦さんの愛犬レフトと一緒。
レフトは微妙におおはしゃぎ。


はしゃいだ後で全身に雑草の種子をくっつけ
主人にプチ怒られる。

その後、シャワーで洗濯の刑に処せられたのは
言うまでもない。
ちなみにレフトはシャワーが苦手らしい。

約2時間ほど草刈機で雑草を刈っていたら
道端に散在する小石を切ってしまい
回転歯がボロボロになってしまった。

↓以前のアプローチ


↓草を刈った後のアプローチ

 かなりきれいになって歩きやすくなった。
が、結構時間のかかる重労働。
明日には終わらせたいなあ。

途中で替刃がなくなったので
草刈は終わらせ、月岩周辺の岩掃除をした。

私は月岩の南面の整備をした。
整備しながら4級くらいのラインが引けそうだと
ニヤニヤしていたら
ここには4級の課題が既にある模様(小枝4級かな)。
残念。

夏場に生えたコケを丹念に落としていった。


整備後↓


こんな感じでなんとか作業が進んでおります。
一気に作業が終わることはないので
一つ一つ、やっていくしかないですね。



ハチ退治編
ハチの巣はフクツウ岩に隣接する小さな岩の
割れ目に巣を作っていました。
ハチの種類はキイロスズメバチ、
こちらではトッコウバチとのあだ名もあるそうです。
結構攻撃的なハチらしいです。
よくニュースで聞く
「遠足中の小学生がスズメバチに刺されました」
というニュースのスズメバチは
たいていがこのキイロスズメバチだということでした。
巣の大きさは直径60センチぐらいの楕円形↓


最初は巣をそのまま生け捕りにして
飾り物にするという話でしたが
ちょうど岩の割れ目と巣が隣接しており
きれいに外せないとのことで
ガスバーナーで巣を焼くことになった。

ハチバスター3人衆出動!(↓)


ハチバスターの隊長さんが
蜂の巣のあるところまで登って
ガスバーナーで巣の入り口を中心に
ハチを焼き殺す。

 ぶぉーーーーーーーーぅつぅっ(ガスバーナーの音)


 ぶヴぉーーーーん、ぶぶん、ぶんーーーん(ハチの総攻撃)


 ぶぉーーーーーーーっ、っ、っ(ガスバーナーの音)



 ぶヴーーーーん(ハチ・ダメージ5)


 ごぉーーーーーーーっ(ガスバーナー)


 ぶん、ぶん、ぶ(ハチは死んだ・・・)




 最初は威勢のよかったハチたちもだんだん
煙でくたばってきました。


 約30分の作業で
ハチバスターの隊長さんはハチの巣を切り崩すことに
成功しました。

 とったどぉーーーー!(↓)


 5段構造の立派な巣でした。
白いところに幼虫やさなぎが
つまっていました。



 おばさんがハチの子はおいしいよと
食べていました。
あんたも食わんね
と言われて超グロテスクながら
1匹いただくことにしました。↓


 お味は、
というと
意外に美味かった!!!!
これだけ美味いからハチ取りがやめられんのだろうね。
オオスズメバチは成虫も生け捕りにして
焼酎に漬け込むらしい。

 六角形の巣の個室に
たくさん幼虫やさなぎが入っていました。
さなぎは結構リアルやねぇ。↓



 さなぎは油で揚げるとおいしいらしい。

 巣のかたまりを頂きました。
早速ジムで巣を解体しました。
さなぎがうごめいて気持ち悪いです。
が、せっかく自然の中で育ったハチたち。
ただ焼き殺すだけじゃダメです。
ハチのためにもきちんと大切に味わってみます。

 時には人を刺して嫌われるスズメバチも
大量の昆虫を捕食してくれるので
考えようによっては人間の役に立つ生き物です。
スズメバチがいなかったら
そこらじゅう昆虫だらけになっていまいます。
森との共生も考えさせられた日でした。

 巣から出ていたハチが戻ってくるので
3日くらいは巣のあった跡には
近づかないことといわれました。

 3日経ったらコケ落としができます。

 本当に蜂の巣がなくなってよかった。
ハチバスターの皆様ありがとうございました。
 
 
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